特車用語について②

「特殊車両通行許可制度」において、「道路法」、「車両制限令」、等で定義されている「特車申請」や車両に関する関連用語を説明致します。

た行

第5輪荷重

セミトレーラを牽引する事を目的とする牽引自動車(トラクタ)の連結装置に垂直に負荷することが出来る最大荷重をいいます。

高さ指定道路

「高さ指定道路」とは道路管理者が道路の構造の保全および交通の危険防止上支障がないと認めて指定した道路であり、「高さの一般的制限値」を4.1mとする道路のことです。

高さ指定道路を示す標識

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タコグラフ

トラックやトラクタに装着されている運行記録用の計器のこと。
車両総重量7t以上又は最大積載量4t以上の事業用車両は装着が義務付けられています。

ダブルヘッドトラクタ

3軸のトラクタのこと。

ダブルス

連結車のうち、トラクタ(牽引車)+セミトレーラ +フルトレーラという組み合わせで運行されるものをいい、被牽引車を2台連結していることから、こう呼ばれています。

ダブルタイヤ

タイヤを並列に2本並べたトラックやトレーラなどの大型自動車に装着されるタイヤ。
なお、特車申請においてダブルタイヤは、1輪のタイヤとしてカウントします。

タンク型

連結車の「総重量と長さの特例」の対象とされる特例5車種の一つ。
液体等運搬用のタンクを荷台に固定した液体用タンク車の他、粉流体運搬車、コンクリートミキサー車等を含みます。

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単車

連結状態にない車両のことで、単体で運行される車両のことをいいます。
主に、トラックやラフテレーンクレーン等が該当します。

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超寸法、超重量車両

算定要領による許可限度寸法を超える車両を超寸法車両、許可限度重量を超える車両を超重量車両といいます。
分割不可能で特に大きいもの、重いものを運ぶ場合などで許可限度寸法及び重量の算定等の取り扱いについて特別の配慮がなされています。
この場合、理由書、通行計画書、軌跡図(超寸法のみ)、橋桁にかかる応力計算書(超重量のみ)を付属書類に追加して申請する必要があります。

※現地の状況により夜間通行、特別の誘導方法の指示、橋梁等での走行位置の指定、橋梁等の補強措置といった条件を付して許可される事になります。

通行計画書

超寸法・超重量車両に係る申請に際して通行時間、誘導方法、退避場所の位置等を記載して提出する書類。

通行規制

各道路管理者によって車両の通行を規制する措置で、一定の大きさの車両や引火性の強い危険物を積載した車両を通行禁止にしたり、一般車両の交通量や通学路、地域住民への配慮の為、夜間のみ通行を認めたりと様々なものがあります。

D条件

「特殊車両通行許可」の橋梁を通行する際の通行条件で、申請車両の「重量」に対し橋梁の強度に応じて判断され、「徐行」、「連行禁止」、及び当該車両の前後に「誘導車」を配置し、かつ、2車線内に他車が通行しない状態で当該車両が通行する事を条件とする場合をいいます。
なお、許可される「通行条件」が夜間条件となります。

低床トレーラ

ブルドーザー、クレーンといった建設機械や分割できない巨大な運搬物の輸送に使われる荷台が低く造られたトレーラ。

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手数料

申請経路が複数の道路管理者に跨る時は、原則として申請者が受付けられた時点で手数料が必要になります。
この手数料は、関係する道路管理者への協議などの経費で、実費を勘案して決められています。
その額は、国の機関の窓口では200円(1経路)、都道府県及び政令市等の窓口では、条例によって多少異なる場合があります。

① 手数料の計算方法
手数料の計算方法は、「申請車両台数×申請経路数×200円」です。
申請車両台数は、トラック又はトラクタの申請台数です。

※トレーラは申請台数に含まれません。

例)6箇所の目的地を全て往復する場合
6箇所の目的地を往復申請すると、申請経路数は「行き」と「帰り」で12経路となります。
申請車両台数が4台の場合、手数料は次のように計算します。
4台×12経路(往復)×200円=9,600円(非課税)

なお、片道申請の場合は、申請経路数は6経路となります。
4台×6経路(片道)×200円=4,800円(非課税)

※大型車誘導区間のみ通行許可申請の場合
大型車誘導区間のみ通行する場合、手数料は160円(1経路)となります。

道路情報便覧

「特殊車両通行許可」の審査において時間を要する技術的検討を極力短時間に処理し「特車申請」に係る窓口の事務処理を迅速に行う為、道路の構造要因、交通条件等について予め現地調査し、それによって得たデータを全国的に集約したもの。一元的許可の窓口のいずれにおいても、その都度の協議なしで全国の情報を得られるようになっています。
なお、この道路情報便覧にデータが収録された道路の事を「採択路線」といい、未収録の道路のことを「未採択路線」といいます。

道路

道路法の第三条で道路の種類は次のように定められています。

一 高速自動車国道
二 一般国道
三 都道府県道
四 市町村道

道路法で定められているのは第三条の一項から四項の4種類ということになり、これら以外の道路は道路法の及ばない「道路法適用外道路」となります。

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↑詳細は弊所ホームページのコチラをご参照ください。

特車ゴールド制度

特車ゴールド制度とは、業務支援用ETC2.0車載器をセットアップ・装着した車両の登録と、特車ゴールド制度の利用登録を行うことにより、更新手続きの簡素化および大型車誘導区間における経路選択が可能となる制度です。本制度は、平成28年1月25日から開始されました。

特車ゴールド制度を利用すると、申請経路に大型車誘導区間が含まれている場合、大型車誘導区間における経路選択が可能となるため、渋滞や事故、災害などによる通行障害発生時に迂回ができ、輸送を効率化できます。

また、寸法・重量や経路の違反などが確認され、通知が行われた場合を除き、更新時の手続きが従来と比べ簡素化され、ワンクリックで更新申請をすることが出来ます。

※迂回が出来るのは、あくまでも大型車誘導区間内だけです。

特例8車種

「特殊車両通行許可申請」において、安全性を確保しつつ物流を効率化するため、分割可能な貨物(バラ積み)の輸送に関して、通行する道路ごとに総重量および長さに「特例」が設けられている車両があります。
主に「特例」が適用される車両は、分割可能貨物を運搬するセミトレーラ連結車とフルトレーラ連結車になり、「特例5車種」と「追加3車種」の計8車種があります。(車両制限令第3条第2項)

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トラクタ

牽引車のこと。トレーラ、作業機械その他の物体を牽引する車両。
道路運送車両の保安基準で「専ら被牽引自動車を牽引する事を目的とするか否かに係らず被牽引自動車を牽引する目的に適合した構造及び装備を有する自動車をいう。」と定義されています。

トリプル軸

トレーラの車軸が3m以内に3つ集中して隣接している場合をいいます。

トレーラ

被牽引車のこと。道路運送車両の保安基準第1条で「自動車により牽引される事を目的とし、その目的に適合した構造及び装置を有する自動車をいう。」と定義されています。

な行

中落ち

高さのある貨物を積むため、荷台中心付近が低くなっているトレーラ。

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荷姿図

トラックやトレーラの積載状態を表し、寸法等を書き入れた図面のこと。

認証トラクタ

平成27年度の法改正で道路運送車両の保安基準第55条の規定により軸重の基準の緩和の適用を受けた車両を指します。
トラクタが2軸エアサスでトレーラが特例8車種のセミトレーラ(従来のバラ積み緩和トレーラ)の場合、トラクタの「駆動軸重」が11.5トンまでなら牽引できるようになりました。(駆動軸重以外の軸重は原則10トンまでです。)

※認証トラクタの判別条件
自動車検査証の備考欄に次の記載があるか否かが判別基準となります。
① 緩和事項コード 005(軸重)及び制限事項コード 067(基準緩和による運行は、国際海上コンテナを輸送するトレーラをけん引する場合に限る)の両方が記載されている。

② その他検査事項 630(保安基準第4条の2の告示で定めるものに適合)と記載されている。

上記①及び②のいずれかの記載があるものが認証トラクタになります。

※海上コンテナ用セミトレーラ連結車に限り適用していた「駆動軸重」について特例8車種にも適用されるようになりました。

※駆動軸がエアサスであれば適合します。

※「駆動軸重」が11.5トン以下であり、第5輪荷重ではありません。

認定

「一般的制限値」を超えない車両であっても、道路の構造に応じて通行出来る車両の幅等は制限されます。この制限を超える車両を、やむを得ず通行させようとする時には、道路管理者に通行の「認定」を受ける必要があります。

は行

ハイリフトトラクタ

リフトカプラによりトレーラを持ち上げ、ダンプのように傾け積荷を降ろす装置のこと。ウッドチップや飼料など一度に大量の積荷を降ろす運搬に向いている車両です。

ハチロク・クンロク

海上コンテナでコンテナの高さが、8.6ftと9.6ftのコンテナのこと。クンロク(9.6ft)のことをハイキューブや背高海コンともいいます。

バン型トレーラ

連結車の「総重量と長さの特例」の対象とされる特例5車種の一つ。
箱型タイプのセミトレーラで側面が上方に大きく開くウイングタイプや、後部や側面に扉があるバンタイプに分かれます。

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B条件

「通行条件」のうち「重量」に関しては「徐行」及び「連行禁止」を条件とするものをいい、「寸法」に関しては「徐行」を条件とするものをいいます。

ピントルフック

フルトレーラを連結するトラクタの連結装置のことです。

付図

特車システムの「道路情報便覧」にある地図です。
この地図上の交差点を繋げていき経路を作成します。

普通申請

特殊車両通行許可申請で申請台数1台(連結車の場合は、トラクタとトレーラの1セット)で申請することです。

船底型セミトレーラ(タイプ1)(タイプ2)

連結車の「長さの特例」の対象とされる追加3車種の一つ。
フラットトレーラをベースに荷台の中央部分を船底のようにくぼませてあるトレーラです。
主に、コイル等の円筒状の荷物を運ぶ際に用います。

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フルトレーラ

総荷重を当該トレーラだけで支えるように設計され先端に牽引具を備えたトレーラです。

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不連続

特車申請の経路作成において交差点番号が連続しておらず、経路が繋がっていない状態のこと。
新たな交差点番号が設けられ不連続となる場合もあります。

併進禁止とは

通行条件で特殊車両の前後に「誘導車」を設置し、橋梁を特殊車両が通行する際は「誘導車」が特殊車両以外の一般車両も規制(対向車線も)して、橋梁の上にはその特殊車両のみが通行するようにすることです。

ホイールクレーン

ゴムタイヤで自走する移動式クレーンです。運転席だけで車両の運転とクレーンの操作ができます。

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包括申請

車種、車軸数、積載貨物、通行経路及び通行許可期間が同じである2台以上の申請台数について一つの許可申請書によってする申請をいいます。

ポールトレーラ

柱、丸太等長尺の積荷自体がトラクタとトレーラの連結部分を構成する構造のトレーラ。軸距は積荷の長さに応じて調整できます。(※JIS規格による。)保安基準第1条において「柱、パイプ、橋げたその他長大な物品を運搬する事を目的としこれらの物品により他の自動車に牽引される構造を有する被牽引車のことをいう」とされています。

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幌枠型セミトレーラ

連結車の「総重量と長さの特例」の対象とされる特例5車種の一つ。
荷台が幌骨で支持された幌に覆われた車両です。幌ウィングボディを含みます。

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ま行

窓口申請

「窓口申請」とは、申請者が直接国道事務所や都道府県庁、市区町村の役所へ申請書を持参して特殊車両通行許可申請を行う方法です。

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↑詳細は弊所ホームページのコチラをご参照ください。

未採択路線(未収録路線)

「未採択路線」とは、特車システムの「道路情報便覧」に情報が未収録の道路のことをといいます。
「道路情報便覧」に情報が未収録の道路の為、「個別審査」対象の申請となり、申請先の道路管理者と個別審査先の道路管理者との間で「協議」が発生します。主に市町村道や一部の都道府県道に多くあります。

や行

ユニック

キャビン(運転席)と荷台の間に小型のクレーン装置を設置したトラック。
正しくは建設機械メーカーの古河ユニック株式会社が生産している車両でユニックは前者の登録商標です。

誘導車

「誘導車」とは、カーブや厳しい交差点部などを通過する際に他の交通安全を確保するための誘導措置や、橋梁などの構造物の保全などのために配置するものです。通行条件が「C条件」と「D条件」に課せられます。

ら行

ラフター

ラフテレーンクレーンのことでホイールクレーンの一種。四輪駆動、四輪操舵装置を備え、荒れた不整地でも走行可能なクレーンです。

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ランディングギヤ

トレーラが連結していない状態で使用する前脚のこと。

リフトアスクル(車軸自動昇降装置)

積載物の重量に応じてトレーラの車軸を上昇させたり下降させたりした状態で走行できる装置。
例えば、「一般的制限値」を超えない車両であっても積載物が無い場合、3軸のうち2軸を上昇させて路面に設置させず1軸だけで走行し、燃費向上やタイヤの摩耗軽減などの効果があります。
さらに最大のメリットは高速道路の通行料金でNEXCOが定める通行料金は車両の軸数により変わる為、走行時の軸数を減らすことにより特大車から大型車になり、高速料金が安くなります。

理由書

超寸法・超重量車両に係る申請に際して提出する書類であり車両の構造及び貨物の特殊性について記載したものです。

両罰規定

道路法第107条に「法人の代表又は法人若しくは人の代理人、使用人その他従業者が、違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または事業主に対しても同様の罰金を科する」とあります。
つまり、当該車両を運転していた方以外にも法人または事業主に対して同様の罰則が科せられるということです。

輪荷重

車両の1つの車輪を通じて路面に加わる鉛直過重をいいます。
車両制限令上の最高限度は原則5tとされています。

隣接軸重

隣り合う車軸に係る軸重の合計です。

連結確認

トラクタとトレーラの連結検討をし、車検証にその記載がされていること。
連結の記載の無い組合せの場合、申請先によっては受付してもらえない場合があります。

連結車

1台のトラクタと1台又はそれ以上のトレーラを結合したもの。セミトレーラ連結車、フルトレーラ連結車、ポールトレーラ連結車、ダブルストレーラ連結車等があります。

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連行禁止とは

2台以上の特殊車両が縦列をなして同時に橋梁等を渡ることを禁止することです。

ロードカッター

道路の補修工事に使う路面切削作業機のこと。ナンバープレートがついていて(0ナンバー)特殊車両通行許可を取得すれば公道を走行することも可能ですが、通常は重セミトレーラに積載し、現場まで運搬します。
実際の作業は、前輪と後輪の間にある金棒のような物を回転させて、道路のアスファルトを削り取っていきます。削り取ったアスファルトは、ベルトコンベアで前方へ排出します。そのため、前方にダンプトラックを配置し、ダンプトラックと連携しながら作業を進めます。

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