道路法と他法令の比較について

「特殊車両通行許可制度」に関する道路法の他に、道路交通法、道路運送車両法においても車両諸元の制限があり、それぞれの法の目的に応じて、車両の幅、長さ、重量などについて規定が設けられています。

各法令による車両諸元に関する規定の比較について

①道路法(車両制限令)
特殊車両通行許可制度に関する法令で、国土交通省道路局(地方整備局)が管轄しています。
一般的制限値を超える車両で道路を走行する時は、この法令で定める「特殊車両通行許可」の申請を行い、通行許可証を得なければなりません。
なお、違反をした場合は指導や取締りを受けます。(悪質な違反の場合、告発により罰せられるケースもあります。)

②道路交通法(道路交通法施行令)
安全に道路を走行するための法律で、警察庁(警視庁・道府県警察)が管轄しています。
車両からはみ出す荷物を積載して一般的制限値を超えた状態で走行する場合などは、「特殊車両通行許可」とは別に、出発地(荷物の積み地)を管轄する警察署に「制限外積載許可申請」を行い、通行許可を得なければなりません。
なお、違反をした場合は運転者が罰せられます。

③道路運送車両法
車両の製造等に関する法令で、国土交通省自動車局(運輸局)が管轄しています。
貨物輸送のために基準を超えるトレーラ等を製造する場合は、この法令で定める基準緩和認定を受ける必要があります。

各法令で定める基準をまとめると次のようになります。

特殊車両通行許可制度について(道路法)

一般的制限値を超える車両で道路を走行するときは、車両の諸元、積載物の内容、通行経路、通行の日時等を所定の書類に記入し、道路管理者に申請を行い、許可証の交付を受けることで、許可された経路を走行することができます。

http://tokusya-ctc.com/?p=9

「特殊車両通行許可制度」の詳細につきましては弊所ホームページのコチラをご参照ください。

制限外積載許可制度について(道路交通法)

貨物が分割できず、政令で定める車両寸法等の制限を超える場合は、出発地(荷物の積み地)を管轄する警察署長が当該車両の構造や道路、交通の状況に支障がないと認めて許可したときは、許可された範囲内で車両を運転することができます。

①制限外積載許可申請が必要となる基準について
積載物の長さ、幅、高さが下記の数値を超えた場合は「制限外積載許可申請」が必要になります。
・長さ 自動車の長さの1.1倍
・幅  自動車の幅
・高さ 3.8m(高さ指定道路は4.1m)

※軽トラックの高さは原則2.5mまで

②許可できる限度について
・長さ 自動車の長さの1.5倍
・幅  自動車の幅プラス1m(ただし、全体の幅が3.5mを超えないこと)
・高さ 4.3m

③許可できる積載方法
・長さ 前後とも自動車の長さの1.3倍まで
・幅  左右とも0.5m以内

制限外積載許可制度における積載方法について

「制限外積載許可申請」が必要となる積載は次のような時になります。

制限外積載許可の申請等について

①申請先
出発地(荷物の積み地)を管轄する警察署

②許可申請者
申請者は車両の運転者です。

※警察署によって法人の場合は法人の代表者が申請者となる場合があります。

※運転者が複数の場合は申請書に連記します。
人数が多く書ききれない場合は、別紙に申請者の氏名、住所、免許証番号等を記載します。

③許可の単位及び期間
原則、許可は申請する1運行のみで、許可期間は申請した運行が終了するまでです。

特例として、(1)同じ運転者が(2)同じ車両で(3)同じ荷物を積載して(4)同じ場所への運行を繰り返す場合については、3ヵ月以内の期間で包括的な許可を受けることができます。

④実査(実物を見て審査すること)
審査については、原則として車両の構造や貨物とその積載状態、道路交通の状況について審査が行われます。
ただし、特に信用すべき事由がある時は実査が省略されます。

⑤申請から許可証発行までの期間
都道府県により異なりますが、標準処理期間は概ね1週間となっています。
ただし、他の都道府県への輸送等、長距離運行となる時は審査期間が延長となる場合があります。

⑥違反したとき
車両の運転者に対し、道路交通法で定められている罰則があります。
例)許可証不携帯:運転免許点数-1点・罰金6,000円

制限外積載許可申請時における特殊車両通行許可証の添付について

「特殊車両通行許可制度」の通行許可が必要な制限外積載許可申請時、警察署に出向いた際に「特殊車両通行許可証」を添付書類として求められる場合があります。
しかし、「特殊車両通行許可制度」は道路法、「制限外積載許可制度」は道路交通法と、それぞれ違う法律で定められている事なので、許可証の添付は不要となります。
つまり、添付する書類は「特殊車両通行許可制度」の申請書で足りることになります。

※通行する経路が分かる書類があれば、特殊車両通行許可制度の申請書の代わりに添付することも可能です。

※制限外積載許可が必要でも一般的制限値を超えていなければ「特殊車両通行許可制度」の許可は不要です。

※警察庁から各都道府県警察本部に対して「申請受付時に特殊車両通行許可証の添付を求めないこと」とした文書を、「制限外積載許可申請の添付書類の簡素合理化」というタイトルで、平成19年11月29日に事務連絡されています。
ただ、県警本部宛の文書のため、各警察署で把握していない場合があります。
その際は担当官に県警本部に確認してもらいましょう。

※都道府県の警察本部により、原則許可証の添付となり、例外的に申請書を認めるという場合があります。

道路運送車両法とは

自動車、原動機付自転車、軽車両の道路運送車両に関する所有権の公証制度と、安全性の確保のための保安基準、整備、検査、自動車整備事業等について定める法律(1951年公布)のことで、所有権の公証のための制度として自動車の登録制度を設け、登録を第三者に対する所有権の得喪の対抗要件としています。保安基準に関しては自動車の構造、装置、定員、最大積載量等に関して詳細な技術基準が運輸省令で定められており、それに適合しない車両は運行の用に供することが禁止されています。

保安基準とは

道路運送車両法において、自動車の構造・装置について、安全確保及び環境保全上の技術基準が定められています。これを「道路運送車両の保安基準」といい、自動車においては「自動車の検査」(車検)の基準になります。
なお、書類審査による基準の緩和を行う事で、運行の基準を満たさない特殊車両も車検が可能になります。

基準緩和とは

保安基準の緩和とは、道路運送車両法によって規定されている保安基準を超えている車両に対し、保安基準を超えている事項を緩和することにより運行を可能にすることです。

道路運送車両法40条で、「自動車は、その構造が、次に掲げる事項について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。」とし、車両制限令及び道路運送車両の保安基準によって、主に次の項目について車両の寸法や数値が超えてはならないと規定しています。車両の寸法や数値が超える場合は「緩和認定」を得なければ運行できません。

・全 長 12m
・全 幅 2.5m
・全 高 3.8m
・軸 重 10t
・輪荷重 5t
・隣接軸重
①隣合う車軸の距離が1.8m未満のときが18t
②隣合う車軸の距離が1.3m以上、かつ隣合う車軸の軸重がいずれも9.5t以下のときは19t
③隣合う車軸の距離が1.8m以上のときは20t
・接地圧 200kg/cm
・旋回半径 12メートル

これらの基準のいずれか、または複数の項目を緩和することを「保安基準の緩和」または「基準緩和」といいます。

なお、基準緩和認定の申請先は管轄の運輸局になります。

 

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